来年はもう、






これが最後だったから



後悔だけはしたくなかったんだ









卒業式---

時がたつのって早いなぁ…なんて年寄りくさいことを考えた

みんな離ればなれになる友達と、写真をとったり、最後になるであろう会話を楽しんでいる





私の足は自然とテニスコートへ進んでいた

3年間マネージャーとして走り回ったコート
そして、そのコートでいつも一生懸命だった大好きなひと








「なんや、もきてたんか」

「白石…」
「なーんも変わっとらんなァ、ここは」

俺らが引退してから、と少しさみしそうな顔をした
「うん…」
「元気あらへんなァ、変なモンでも食ったん?」




こうやって白石と話すのが最後だと思うと、涙があふれそうになる

   白石のことがずっと大好きだったんだから





?どないしたん?」

「…あたしね、3年間すごい楽しかった。千歳がいて、謙也がいて、小春がいて、ユウジがいて、銀さんがいて、金ちゃんがいて、光がいて」
「…」
「みんなの事好きやったから…
 でも一番忘れられへんのは…白石の事やと思う」

「白石がいたから楽しかったんや」

…」

「最後やからこれだけはいっとかんとあかん思て
 …あたしは白石が好きや」

「…バカ。言うのが遅いねん」

「俺もいわなあかん思ってた。言わな言わな思っとったら、もうこんな時期になってた」


「俺も好きや。のことが」







気がついたらもう白石の腕のなかにいて、流すまいと思っていた涙がとまらなくなっていた


  神様、どうかもう少しそのままで
             (白石の背後に謙也と千歳がみえたのは黙っていよう)