「土方さん、何か欲しいものとかあります?」














「あ? ねぇよ。別に」

「えー困りますよ。何かあるでしょう?」

「ねぇ」

「…あの土方さん。今日何の日か、わかってます?」


「…何かあったか?」


自分が出張にいくのは来週のはずだとかなんとか言ってる土方に、は大きなため息をついた


「土方さん、そんな仕事のことばっかり考えてると禿げますよ」
「禿げるか、阿呆」

「ちょっとは休んだらどうですか?」

お茶とお菓子くらいなら用意しますよ、というのほうを振りかえって

「俺はいい。…お前こそ少しは休め」
昨日も遅かっただろ、と土方の瞳が少し優しくなる





は腕が立った。幹部連中と同等の力を持っていた。
それには副長助勤である。副長同様に仕事が多い。

昨夜も山崎らと共に遅くまで諜報活動にあたっていた



「私は大丈夫です。土方さんより若いですし」
「……」

「それより本当に今日が何の日か覚えてないんですか?」

「…覚えてねぇ」

すっかり忘れている様子の土方をみて、は苦笑して言った


「今日はどっかの鬼副長の誕生日ですよ」

「!」


仏頂面が驚きの表情の変わるのを、くすくす笑いながらは続けた



「だから、何でもいってください」

自分にできることなら何でもする、と彼女はいった







男は表情を自然と緩ませた




「お前はいてくれるだけで充分だ」
だから今日は休んでろ、




「…っ」


どうしてこの人は、


「どうした?急に黙って」



「土方さん…」

「?」



「心臓に悪いです…」





     不意打ちは反則
                              (仕事上の話だよね!? 変な期待しちゃだめだ!!)