「ロックオンー!! はやくー!!」
すこし離れたところから愛しい声がする
はいはい、とつぶやき彼女のあとを追う
久しぶりの地上での休暇
俺とは買い物をすませた後、近くの海にきていた
「きれーだねぇ、海」
トレミーからみる宇宙もきれいだけど、と彼女は海をながめていう
「も十分きれいだけど?」
「…いやちょっと、なにいってんのよ」
そういう彼女の頬はほんのりあかい
(あーもうなんでこんなかわいいかな…)
世界を憎んだ俺はすべてが汚れてみえた
大好きだった景色も、山も、海も、空も、
一瞬で嫌いになった
そんな俺の世界にかがやきをあたえたのはだ
「綺麗だ」と思えるようになったのはがいたからだ
「ロックオン?どうしたの?」
「なんでもねぇよ…」
わしゃわしゃとの頭をなでる
「ぐしゃぐしゃになるでしょ、ばかー」
「大好きだよ」
(きみだけは、よごれないで かがやいて)