今日も彼女は俺が一番好きな笑顔で名前を呼ぶ
















「ねぇブン太、何がいいと思う」


「あー? 何が?」

寝ている身体をおこす

「だから、来週でしょ? 誕生日」



誰のかなんてわかってる

でも聞いたら彼女は真っ赤になって答えるのだ



「誰の?」

「もう!! 幸村くんのだよ!!」


ほらね













今日も彼女は俺が一番好きな笑顔で名前を呼ぶ




「あ! 幸村くんだ!!」




でもそれは俺の名前じゃなくて









その名前が呼ばれる度に傷が増えることを彼女は知らない













「じゃあね、ブン太」




「何?」


「聞いといてやるよ。欲しいもの」

「本当!? ありがとう!!」






それでも俺はの事が好きだから

その笑顔がみたいから






これからも自分の心を犠牲にする












     それさえもひとは愛とよぶ

                                      (愛に犠牲はつきものだってよくいうだろぃ)