猫みたいだと思った
放浪ぐせがあったし、学校に来ないのなんて普通だったし、それがクラスメイトの賭けの対象にまでなってた
だから2、3日学校に来なくても誰も気にしてなかった
でも、なんとなく今回は違う気がした
もう会えなくなる気がした
あたってほしくない私の予感
「やっぱり転校らしいよ、千歳」
「そう…」
なにも言わなかった
いつものようにいなくなっても帰ってくると信じてた
千歳、千歳、千歳、
名前を呼ぶと振り返ってくれる優しいあなたが大好きだったよ
ちとせ、ちとせ、ちとせ、
まだこの声は届きますか?
まだ振り返ってくれる距離に私はいますか?
あぁ、今きみは何処にいる?
(孤高の猫の行く先なんてもう誰にもわからない)